ベビージムのゆうちゃんが天からもらって来たものについて

       ーーベビージムのゆうちゃんが天からもらって来たものについてーー
                             2021.5.5. 中野尚彦

1. 本文  ベビージムのゆうちゃんが天からもらって来たものについて
2. 補注 補注目次
3. 結び ゆうちゃん空間の作図

 

 視覚障害乳幼児の仕事をしていた時の同僚、香川スミ子さんの主催するzoom研究会を時々傍聴しています。 そこで見た動画の一コマです。名前はゆうちゃんです。
 コメントを書いて送った時、静止画が1枚欲しいとお願いしたら、レポーターの岩本先生が画像を挿入してくださいました。良い1枚を選ばれるものだと思って感心しています。
 小さい台の四方に傾斜や階段がついたベビージムを、ゆうちゃんが調べています。目が見えないから触って調べるのですが、四肢体幹、全身総動員です。

☆ 「天からの恵を受けて、この星に生まれたる我が子」という歌があります。天とは宇宙の理であり、人は宇宙から何かをもらって生まれてくる、という意味だと思います。補注童神

☆ 馬のあかちゃんんは立ち上がり方のマニュアルを宇宙からもらって生まれてくる。人間のあかちゃんがもらったのはマニュアルではない。工夫し切り開く知恵と力だ。
 座るも這うも立つも歩くも、あかちゃんにマニュアルはない。一人ひとりのあかちゃんが自分で工夫し切り開らかなければならない。だからその道筋は一人ひとり違う 。補注 →れぞれの冒険・姉の場合・妹の場合 HSSB

☆ ゆうちゃんはベビージムを調べる。空間構造は宇宙の法則だ。それを知るためにマニュアルはない。
 だからよっちゃんは言う。「空間はぼくが自分で調べる。宇宙からもらった知恵と力と勇気を以って、この世界を征服する。」
 姉が立ち上がるのも妹が立ち上がるのも、ゆうちゃんがベビージムを調べるのも、あかちゃん達の世界征服の旅路の冒険の一コマだ。補注 →宇宙の法則HUCH

☆ あかちゃんは誰もが世界征服の冒険の旅路にある。
 ぼくは今これを発見した。これはなんだ。これはぼくの意のままになるのか。…それは手だよ。きみの。
 hand regard と呼ばれるあかちゃんのこのポーズは、私の若いころ、感覚―運動協応の成立過程を語る資料として心理学の教科書に登場するようになり、私もそのように使ってきた。
 しかし今、そうした説明より、このあかちゃんのまなざしに感嘆する。なんという大発見、なんというエキサイティングな冒険。補注 →あかちゃんのまなざしHAKM

☆ あかちゃんは今まじまじと自分の手に見入っている。しかしどんなに揺るがない視線であっても、眼球自体は必ず絶え間なく動いていて、その動き方はビデオカメラの走査線とは異なる。補注 →眼球運動HGNU
 眼球運動やゆうちゃんの空間探査は人が天からもらってきたものだ。これに対し、ビデオカメラの走査線や幾何学的な作図は人が人から受け継いでいくものだ。
 ちなみに、ゆうちゃんが今確保しているお尻、右手、右足、左足から得られる情報を言語的に与えられれば、人はこの台と傾斜を、その形を見ることなく作図することができる。補注 →ゆうちゃん空間の作図HYKS

☆ 天からもらってきたものは人という秩序系の深層の構造であり、生命体の系譜の内に途切れることなく続く。補注 →αとβの系譜H8

☆ コップをひっくり返せばミルクがこぼれる。これは宇宙の法則だ。ひっくり返してはいけませんというのは人の世の法則だ。天からもらった知恵と力で、人は宇宙の法則を征服する。宇宙の法則は誰にとっても同じ一つの法則だ。同じ一つの法則の共有者だから、人は人によって異なる人の世の法則を共有することもできる。補注 →人の世の法則HYH

☆ 人は自分が何を見たかを知っているが、その時眼球がどう動いたかを知らない。ゆうちゃんはベビージム空間を知っているが、なぜ知っているかを言えない。 深層の構造は表層の構造に埋もれてある。
 人は異なる人に出会う時、しばしば深層の構造に気づかされる。人が異なる人に関わるのは、隠された深層の構造を知るためかもしれない。
 たくさんのことを見て、たくさんのことを忘れてきた。幾つか書き留めたことだけが残っている。
 補注 →白杖使用法H10
     点字読字法H11
   「ことば」と「言葉H12
    仕草の系譜H13

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