R4:新春閑話ー老朽化四題噺

新春閑話~老朽化四題噺~













 一つ目は一昨年の賀状に書いた車です。ある学生さんが「マリオカー」と命名しました。マリオはファミコンの登場人物です(左端カット)。
 二つ目はパソコンです。私の機器としては比較的新しいのですが、、、
 三つ目は携帯電話です。世を席巻するスマホ圧に耐えて使っています。
 四つ目、これが私(中野)だそうです。学生さんが作ってくれたメモホルダーです。ずいぶん見目好いお爺さんに作ってもらいました。
 さてこの四つの内、どれが一番長生きするかが昨今の私の大問題です。
 私以外の三つについては、いつも更新圧がかかります。
☆ この携帯電話は2006年に電波が終了します、スマホをお勧めします、とドコモのお姉さんは言います。そんな先のことはわからない、2006年にもし生きていたら考えましょうと言うとお姉さんは諦めますが、バッテリーの劣化が進んで電池切れがひどくなりました。いつも電源につないで使うから、これでは据置電話と同じです。
 こういう事態に備えて、私は人にもらった空の携帯電話を持っているので、そちらにデータを移しましたが、それで今までと同じに使えるというわけではありません。新しい機種は必ずなにがしか不必要に進化しています。右にあったキーが左に移るだけでも慣れるのに時間がかかる、包丁や鍋の置き場所を変えると台所の主がぶつぶつ言うのと同じで、道具について重要なのは進化ではない、慣れです。
 こういうことならスマホに変えても同じことで、ドコモのお姉さんの言うとおりその方が経費も安い。しかし、それでおとなしくハイハイと言うのは少々業腹です。
 同じ物を売り続けない、絶えず新しい物を作り、買わなければ困窮する、そういう仕組みを「根源的独占による市場支配」と言うそうですが、いつか電波が終了するまでドコモがバッテリーを供給し続ければいいのです。
 昔、βmax がVHS に敗れた時(ご存知ですか)、ソニーが出した鮮やかな敗北宣言を思い出します。新聞の全面広告にただ一行、「ソニーはβmaxを作り続けます」というものです。
 しかし、その企業プライドがドコモにはないのですかなどと、お姉さんに言ってもしようがない。頑固な老人が頑固を通せばとかく生きづらい、ただそれだけのことです。
☆ 3年前パソコンを新しくした時、これでもう生涯更新無しにこのパソコンを使えると、自分を言いくるめたのですが、「根源的独占」は苛烈です。
 メールボックスが開かなくなって、なんだと思ったらexplorerは停止したからedgeを使えと言う。それはそうすればいいことだけど釈然としない。 何もかもon line だから、自分のアドレス帳の仕様までが勝手に変わって、「根源的独占」の決めた新奇がこっちの使い慣らしを蹂躙する。
 使っている内にパソコンの動作がのろくなることについて、電器屋はhard disk 方式はそうなる、SSDに部品交換するしかないと言う。こちらにはわけのわからない話だし、それでまたどんな不慣れの不自由が生じるかわからないけれど、「根源的独占」には抗すべくもないからそうなる。
 Windows10を11に更新するようにというメールが入り始める。うるさいなと思うけれど、これもいずれそうしなければならないようになるに決まっている。
パソコンがこうだから、スマホだって同様でしょう。更新すれば長続きするのではない、更新するために長続しない、on line商品は「根源的独占」の独壇場です。
☆ 「マリオカー」は気に入っています。これからも走り続けて欲しいものですが、さてどうでしょう。
 走行5万kmの中古車に4年間で1万km乗りました。小さな車体には十分余る44馬力のエンジンは問題なく動いていますが、車体はいたるところ笑えるほど老朽化しています。なにしろ平成16年の製造です。いつまで動くのだろうかと思いますが、それは自分自身についても同じです。いたるところ笑い事でないほど老朽化しています。
 私が乗らなくなればこの車に乗る人は誰もいない、そして、この車が動かなくなった時、私はもう車には乗れないような気がします。
 この車、スズキTWINはとっくに製造停止です。後継車は電気自動車で出るようですが、電気自動車環境は私には遠い未来だと思います。
 更新がなければ、機械も人と同じでいつか、これはもうダメでしょうという時が来ます。車が先か人が先か、いずれでも良いのですが、年々、機械には勝てないなぁと思えてきます。そう言えば、めでたくもありめでたくもなし、と詠った人がいましたよね。